話は少し遡る――
私達は今後の動向を軽く打ち合わる為に、近場の森の中へと身を隠した。
頭上には深い緑葉のカーテンと、その合間を縫って幾筋差し込む木漏れ日の明かり。
ホントならユックリしていきたいものだが、とりあえず今は事が事だ。
私は適当な大きさの切り株へ腰を下ろし、彼の方も座りこそしないが背後の幹を背もたれ代わりにしている。
何はともあれ、まずは状況の確認。
彼の千里眼が見通した相手は、この森丘一帯を縄張りとしている飛竜だという。
鳥竜種を遙かに凌駕する巨大な体躯とそれに見合った筋力(パワー)。
生半可な衝撃であれば易々と弾き返し、更には火山帯の高熱さえ遮断する褐色の鱗。
ヒトの身の丈を優に超える長大な尻尾、毒性を備えた鋭い鉤爪。
吐き出す高熱度の火炎弾はヤワな木々なら幹ごと粉砕する力を秘めている。
他の生物と一線を画する飛竜の名に相応しい戦闘能力。
悠然と大空を舞うその姿を見て、古来のハンター達は『相手』の事をこう名付けたそうだ。
――『空の王者』火竜リオレウス、と。
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