対して私達はというと。
「えぇと・・・それってかなりキツいんじゃぁ?」
「ンな事言っても無いモンは無いんだ、仕方がないだろ」
それに、と話を続ける彼――あ、なんだかイヤな予感。
「朝っぱらから人の安眠妨害した事、まさか忘れた訳じゃないよな?
『ちょっと出かけるわ! いいから付いてきなさい!』とか言われて無理矢理寝床から引きずり下ろされたんだが。
あれじゃ出来る準備も出来なくなって当然だ」
言って飛ばされる冷視線。
「アハハ〜☆ やだなぁ、そんな事ありましたっけ・・・って冗談よ冗談!
えと・・・うーん、なんていうか〜・・・・・・そう!
今は過去の事を振り返るよりも、これからの未来をどう生きていくか考えるべきだと思うの!」
ピンと人差し指を立てながら華麗に話の矛先を変え・・・もとい、話題を前向きな方向へと誘導してみる。
「何にしても、あの火竜相手っていうなら火力不足は尚更辛いわね。
今日は私も採取目的のつもりだったから武器はこのハンターナイフくらいだし」
腰に差した短剣の柄を軽く持ち上げる。
凄腕ハンターならこれ一本でどうとでも立ち回れるらしいのだけど、残念ながら私にそこまでの技術は無い。
あくまで護身用、戦闘よりも採取活動を行う上での”携帯し易さ”を重視した選択だ。
扱いやすさに定評があり、駆け出しのハンターにもお勧めされる一品ではあるのだが・・・
固い飛竜の鱗やら甲殻を貫通するには正直言って心許ない。
彼に至っては言わずもがな、さーてどうするか。