抹茶きなこさんの作品。

煙幕地帯の一角が吹き飛ばされる!
砕かれて盛大に宙を舞う岩盤、巻上げられた土砂を灼き払う熱風。
中空から放たれた火炎弾(ブレス)による爆撃は、地表にちょっとしたクレーターを作りあげた。
口端で残火を噛み潰しながら、火竜は注意深く眼下の様子を観察する。
・・・土煙の向こう側に、不審な影の姿は見られない。
直撃は免れたようだが、一帯の空域は既に火竜が制圧している。
頭上を押さえている以上、圧倒的な戦場の利は依然として揺るがなかった。
ならば衝撃と高熱、加えて視界の悪さが生み出す恐怖心に耐え切れなくなった時。
煙から炙り出されてきた瞬間を必殺の鉤爪で狙い討つ!
何も相手の土俵に降りてやる必要は無い、それが火竜の出した結論だった。
先の爆風で煙幕の拡散範囲が大きく削られている――ならば。
火竜の顎が大きく開き、立て続けに二発の火炎弾が煙幕へと穿たれた。

爆音が大地と大気を震わせる!
火竜のブレスが地上を撃ち抜いた衝撃、その余波で尚この威力。
――闇雲に徹底抗戦とかしないで正解だったかもね・・・
内心で独り呟く。
上空の火竜が降りてくる気配は無い、それどころか第二第三のブレスを地上に向けて撃ち出してくる様子。
おそらくは。
運良く直撃が取れればよし、それが無理なら煙幕から抜け出てきた隙を狙って強襲してくるつもりなのだろう。
自身の実力や戦力差を過信しない慎重な狩猟。
相手もまた自然界の猛者(ハンター)なのだという事を改めて認識させられる。
――けれど、先程から機を窺っているのはこちらも同じ!
チャンスはそう何度も訪れない、今を逃せば次が巡ってくる確証はどこにもないのだ。
頭上で膨れあがる危機感が臨界点へと達する・・・今――!
自身の第六感に背中を押されて、私は戦場へと飛び出した。


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☆4-3☆

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